胡蝶蘭講座2

ランは地球上の被子植物の進化の頂点にたつともいえる植物群で、今もなお新しい種が生まれつつあるといわれています。最も遅く地球上に現れたランは、生きる場所をどこに見つけたのでしょうか?
木に登ったラン

 ランは最も遅くこの地球上に現れたため、既に他の植物に覆われた環境へ進出しなければなりませんでした。そこで、自分の体のつくりや栄養分を得る仕組みを変えることにより、より生存競争の少ない、つまり他の植物があまり生えていない岩の上や、高い樹の上での生活に適応していったのです。
岩や樹にはり付いて生活しているランを「着生(ちゃくせい)ラン」と呼びます。「着生」ランの根は樹幹の表面に張り付いていますが、他の植物から養分を奪う「寄生(きせい)」植物とは異なり、単に生活の場を借りるためにはり付いているにすぎません。このような着生ランに対し、地面に生えるランを「地生(ちせい)ラン」と呼びます。

どうやって生きてるの?

(維管束)植物には通常、根・茎・葉があり、根は水分や養分、空気の吸収をする他に、体を支える役割もしています。地面に生える植物のように地中に伸びる根に対し、着生ランの根のように空気中に露出した根を「気根(きこん)」と呼びます。
空気中は地中と比べ、温度や湿度の変化が激しく、より過酷な環境と言えます。そうした環境の下で生きるために、着生ランの根は特殊な仕組みを持っています。
根の周囲は「根被(こんぴ)」と呼ばれるスポンジ状の組織によって保護されています。この組織のおかげで、着生ランは雨や霧の時などの限られた時に水分を吸収することができ、また、空気が乾燥するときにも根が乾かずにすむのです。吸い取った水分は、厚い葉や太い茎で貯えられ、根から水分が吸収できないときの備えとなります。こうして乾燥に耐える仕組みを進化させ、樹の上にまで分布を広げてきたのです。この仕組みは、砂漠に生えるサボテンが持つ仕組みとよく似ています。

どこで見られるの?

二万五千種もあるランの多くは熱帯に分布していますが、特に標高の高い山で多く見られます。熱帯地方の標高千五百メートル以上の地帯は、雲霧林(うんむりん)とよばれる森林が広がっています。雲霧林はしばしば霧に覆われ、また、昼と夜の気温差が大きくなっています。そのような場所がデンドロビウムやカトレヤなど着生ランのふるさとなのです。
したがって、着生ランの多くは、乾湿の変化に比較的強く、昼と夜の適度な温度差を好むのです。