胡蝶蘭講座6



高森町は日本有数のラン栽培の適地です。それはどうしてでしょうか。その理由を科学的に検証してみましょう。
ランのふるさとランは世界に約2万5千種が分布しています。その原産地はシベリアのような寒さの厳しい地方から、最高気温が四〇度にもなる熱帯まで、広範囲に及んでいます。しかし、ファレノプシスやバンダなどの一部を除き、多くの種は熱帯高山の昼夜の温度差が大きいところで見られます。これらのランは、夏の夜温が低いのを好みます。

高森の標高と気候

高森町は山間部の高地に位置し、昼夜の温度差が年間通じて十~十五度あり(沖縄では五度程度)、夏の夜温が低いのが特徴です。この温度差は、ランの株を引き締まったものにすると同時に、花色の発色をよくする効果があります。ミルトニアやリカステ、マスデバリアなど、低地では暑すぎて栽培が難しいランも、高森では比較的簡単に栽培することができます。

高森の日照

高森は一日の日射が年間を通してほぼ平均して得られます。特に冬期の晴天率が高く、冬期日照時間は瀬戸内海沿岸部のそれに匹敵します。これは温室栽培をおこなう上で非常に有利で、暖房費を少なく抑えることができます。夏が涼しい地方は日本各地にありますが、それに加えて、冬期の日照時間が多い地方は、伊那谷や山梨県北部など、限られた地方しかありません。昼夜の温度差や日照量が不十分だと、ランは生育不良を起こすことがありますが、高森ではその心配はほとんどありません。

高森は日本の中心

高森は東京からも大阪からもおよそ二五〇キロで、高速道路を経由すると、所要時間は三時間余り。名古屋からはさらに近く、日本経済の中心である三大都市のほぼ中央に位置しています。すなわち、生産者が生産した作物を、日本の三大都市圏に迅速に送ることが可能で、市場や消費者の要求にいち早く応えることができます。高森はランの趣味栽培だけでなく、営利生産にも有利な土地と言えます。